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霧の庭園 - サークル活動ブログ -

サークル"イマジネーター"と"ふいだまスピン"の活動情報や雑記など

   2025

0426
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   2008

0827
WHITE ALBUM考察の第一回は、主人公藤井冬弥にスポットをあててみようと思う。
主人公の藤井冬弥は、メインヒロインである新人アイドルの森川由綺とつき合う大学生。
物語の進行によって、幼なじみの友人や、大学の先輩、由綺のマネージャーや先輩アイドルとの関係が深まり、浮気をすることになる。

世間的には厳しい評価の多い藤井冬弥。
前提として彼女がいること、しかし状況に流されるように浮気から本気となること。
別れ話を切り出せなかったり、心情の変化を語るモノローグは自己正当化ととられても仕方のないところがある。

こうしてみると、まさにヘタレキャラである。
強い個性や意志、決断力や果断さに欠け、優柔不断で曖昧な態度が目立つ。
しかし、裏返せばそれらは長所にもなりうる面であろう。
エキセントリックで傲慢な言動で他者を踏みにじったり、不用意に傷付けることがない。少なくともそうしないよう気を使える。
優しい、気を使える人間であると同時に、他者を傷付けるのを恐れている、そういう性格と見ることができる。
浮気といってもその背徳感やスリルを楽しむようなところはないし、別れ話を切り出せないのも未練があるというよりも、由綺を想っているからこそである。

勿論、そうした優しさ=優柔不断さは当事者を酷く傷付ける結果をもたらしやすいかもしれない。
男女関係においては曖昧な態度は、そもそも問題の原因となることが多いようである。
人に対するある種の優しさと誠実さが、残酷な不誠実な結果となる。

そんな皮肉なストーリーであり、その象徴である主人公。
藤井冬弥をそう捉えると、単純に彼をヘタレと断じてしまうことは、様々な人間関係の機微や思いやりといったものを切り捨ててしまうことにはならないだろうか。

アニメ化にあたっては、アニメという一本道のストーリーである以上、藤井冬弥の存在や性格は原作のままではいられないであろう。
またPS3版も、今の時代にあわせて様々な修正がはいることも考えられる。
商業的な意味での成功は非常に重要で、それは原作のファンとしても祈っている。
しかし、原作の持つ、繊細さや切なさを損なうことのないよう、藤井冬弥も決して単なるヘタレ像にならないように、そう願わずにはいられない。
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